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d.皮膚のあれこれ【皮脂膜】

d.皮膚のあれこれ【皮脂膜】

【皮脂膜】

皮脂膜があるために、皮膚の表面はなめらかで、うるおいがあるとともにしなやかな柔らかい肌になっています

皮脂が多ければ脂性肌であり「ニキビ」などが出来やすく、少なければ乾燥肌であり「アトピー性皮膚炎」になりやすいという、ともにトラブルを起こしやすい肌と言えます

【皮脂膜の働き】

皮脂膜は、皮膚の表面を覆っていて、皮膚にうるおいとなめらかさを与える「保湿作用」があります

そのため、この膜は外から受ける色々な刺激から皮膚を守るという「保護作用」の役目も担っています

したがって、油分の少ない乾性の皮膚は傷つきやすくなります

乾性の肌の人は、油分の多いクリームを使って皮脂膜の不足を補って、皮膚にうるおいを持たせて傷つかないようにしてください

皮脂膜は油の膜であるため、油に溶けない化学物質を跳ね返して、その害から皮膚を守っています

そのため、皮膚の表面にくっつくものは、油に溶けるものほど皮膚に害を招きやすくなります

皮脂膜は「弱酸性」です

そのため、皮膚表面の細菌の発育を抑えます

皮脂膜は角質層の中まで染み込んでいきます

そのため、角層表面から剥がれそうになっている角質細胞をお互いにぴったりとくっつけて余分な角片が剥がれていかないようにしています
このことによって、皮膚表面のなめらかさが保たれています

これと反対に油分の少ない皮膚では、表面がカサカサしていて、引っかくと白い粉が吹いたようになります
これは、余分な角片が剥がれ落ちているためです

皮脂膜が取り去られてもその補充スピードはとても速いです

例えば、エーテルなどで皮脂膜を拭き取ると、1時間後にはその50%が補給され、4時間後には完全に元に戻ります

特に濡れた皮膚の表面では、皮脂が広がりやすく、1分間に4c㎡の速さで広がっていきます

【皮脂膜の汚れ】

皮脂膜は、油の膜であるがために欠点もあります

第一に汚れやすいことです

外に直接さらされているために、色々な汚れが皮膚にくっつきます
それが油のために落ちにくいのです

そのため、皮脂膜の性質も変化して、皮膚に適した油の膜ではなくなってしまいます

また、ほこりの中には油を吸収するものもあります

そのため、皮膚の表面が乾いてきて荒れたりします

外出してほこりにまみれて帰ってくると、皮膚がカサカサして火照ってくるのはこのためです

油が外界にさらされていると、かなり汚れます

顔の表面の皮脂膜も同じです

ですから、丁寧なクレンジングや洗顔を行う必要があるのです

【皮脂膜は乳化しています】

皮脂膜は、皮脂に含まれているコレステリン、リン脂質、乳酸などが乳化剤として働いて、汗(水)と皮脂(油)が乳化されているものです

乳化のタイプは2つあります

水中油型(O/W型;oil in water)といって、水の中に油滴が細かく散らばっているような乳化

油中水型(W/O型;water in oil)といって、油の中に水滴が細かく散らばっているような乳化

で、皮脂膜は普通の状態では、W/O型です
そのため、皮膚の表面は、油に覆われていますので、少しベタついた感じがします

クリームは、肌を整えるためのもので、皮脂膜の働きと同じであるため、皮膚表面の皮脂膜を基準にして作られ、その組成に近いものほど上質なクリームと言えます

皮脂膜の乳化状態は、いろいろな皮膚表面の性状で変わってきます

例えば、汗をかくとO/W型に変ってきます
これは、汗が早く蒸発していくようにするためです
そして、汗が止まるとまたW/O型に戻ります

また、皮膚表面は、全体が一様な乳化状態を示しているとは限りません

あるところではW/O型、他のところではO/W型というように2つが入り混じっていることもあります

そのため、顔の一部は脂性であるが、ほかのところは乾性であると訴える混合肌タイプの人が存在します

【皮脂膜のPH】

日本人の皮膚のPHは、4.5~6.0(6.5までは正常)の範囲、つまり弱酸性です

このPHが弱酸性なのは、皮脂中にある脂肪酸と汗の中にある乳酸によるものです

皮脂の量が多いほどPHが低く、少ないほどPHが高いです

つまり、脂性の皮膚、または男性の方がPH値は低く、乾性の皮膚、または女性の方がPH値が高いです

1日の中では、午後遅くなると5に下がり、真夜中になると6~7の間になります
それ以後次第に下がって正午になると、5.2~5.3くらいになります

皮膚の上には、絶えず弱酸性の皮脂膜があるため、皮膚は酸には強いですが、アルカリに対して比較的弱いです

そのため、アルカリ性のものが皮膚に触れるとかぶれやすいと言われています

ただし、皮膚には、「アルカリ中和能(皮膚表面にアルカリ性のものが付着しても短時間の内に本来のPHに戻す力)」があり、皮膚がアルカリに対して抵抗力が強いかどうかは、この「アルカリ中和能」の強弱によります

毎日のようにアルカリが皮膚に働いていると、例えば水仕事を繰り返している人では、皮膚は次第にアルカリに弱くなってきます

つまり、アルカリ中和能が強ければかぶれないし、弱ければかぶれます

皮膚のPHが弱酸性であるために、皮膚の表面では細菌の発育、増殖が妨げられています

つまり、皮脂膜は、とても重要な働きをしています

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